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 タイ人女性を人身売買して売春させていたのは、かつては自らも同じ境遇にあった同胞の女たちだった――。人身取引の「負の連鎖」の実態が、千葉県の売春クラブを舞台にした職業安定法違反事件の捜査で明らかになった。全国で人身取引に関与したとして摘発された外国人の9割は女性。警察当局は、被害女性が日本に定住し、加害者側に回って被害を再生産しているとみている。

■240万円で売買

 「サクラ」と呼ばれていたタイ人女性(27)が千葉県船橋市の小さなアパートで、県警の捜査員に保護されたのは昨年5月。助けを求めたタイ大使館から、警察庁を通じて通報があった。

 旅券を取り上げられ、約490万円の借金を背負わされていた。コンドームを使わないように命じられ、3カ月間で約90人と売春させられた。生理でも休めず、「逃げたら故郷の親元に借金を取りに行く」と脅された。

 「日本に来るまで借金のことなんて聞いていなかったし、エイズにならないか怖くなった」

 サクラはタイ北部の寒村の出身。約240万円で売られ、昨年2月に日本に来た。買い受けたのは、船橋市内にある飲食店店長(38)と店員(35)で、どちらもタイ人の女だ。約120万円ずつ出し合った。

 2人は、知人のタイ人売春婦を通じて、サクラを市内の派遣型売春クラブにあっせん。サクラが売春で稼いだ約210万円から、クラブ側が約120万円を取り、約60万円は2人が受け取っていた。サクラは月約10万円の収入の中から、家賃や生活費を工面していたという。

■「成功者感覚」

 サクラに借金を負わせて返済を迫ったり、脅したりしていた2人の境遇もサクラと同じだった。

 2人は、89年と92年に来日して借金を背負わされた。東京・錦糸町の売春スナックや新宿のソープランドを転々としながら、体の不自由な母親や、前夫との子どもに仕送りしていた。日本人男性と結婚した後の98年ごろからタイ人女性を買い受け、売春クラブなどへのあっせんを始めた。

 警察庁のまとめでは、昨年、人身取引事件で逮捕・書類送検された外国人は33人で、うち29人は女性だった。一方、日本人45人のうち、42人が男性。東南アジアや中国の女性が売春スナックのホステスなどとして送り込まれ、借金完済後に日本人の男らと、人身取引に手を染める事例が多いという。

 警察当局は「被害女性に被害意識が薄い場合も多く、加害者側に回った人は自らをある種の『成功者』と考えている。被害女性にチャンスを与えてあげているという意識で、罪悪感が薄い」と背景を説明する。

■ブローカーも

 船橋市の売春クラブをめぐる事件では、県警がタイ人の女2人と、クラブを経営する日本人の男(48)ら、計6人を職業安定法や売春防止法、脅迫などの疑いで逮捕。昨年10月には、タイに捜査員を派遣するなどして、実態解明を進めてきた。

 いずれの容疑者も11月までに有罪判決を受け、12月下旬には、日本からの情報を元に、タイ国家警察がバンコクの送り出し組織の女ブローカー(41)を逮捕した。組織にはオーストラリア、ドイツなど、送り出し先ごとに担当者がおり、女ブローカーは日本担当として偽造旅券の調達もしていたという。

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