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 深海の暗闇でいきなり腕を光らせ、獲物の目をくらませて襲いかかる。忍者のような手法でエサを捕るヒロビレイカの生態を撮影することに、国立科学博物館の窪寺恒己・動物第3研究室長らが成功した。深海に生息するイカ類には発光器を持つものが多いが、こうした使い方が明らかになったのは初めて。英国の科学誌に発表した。

 ヒロビレイカは水深数百メートルの深海に生息し、全長が2メートル以上にも達する。腕は10本ある通常のイカと違い、8本しかない。うち2本の先端に発光するアーモンド形の器官があり、ホタルと同じ原理で青白く光る。

 窪寺さんらは小笠原諸島・父島の近海に、ハイビジョンカメラとライトを組み合わせた特殊な装置を沈めた。エサのスルメイカをつり下げて誘ったところ、26回試みたうち、水深240~940メートルで計12回ヒロビレイカの行動が撮影できた。

 ヒロビレイカは大きなヒレを使って前後にスムーズに泳ぎ、時速7~9キロでエサに突進。襲撃直前に1.5秒間ほど急に発光器を光らせていた。撮影装置の明るいライトの中でもはっきりと分かる強い光だった。続いて体を急反転させ、腕で抱え込むようにしてエサを捕らえていた。

 窪寺さんは「エサの目をくらませるために、襲う直前に発光していると考えられる。また、発光器を点滅させ、仲間とコミュニケーションをとっているような姿も観察できた。深海の謎にさらに迫っていきたい」と言っている。

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